全国公的介護保障要求者組合

どんなに重度のしょうがいしゃも地域で当たり前に・・・・そのために介護保障を!

1月26日 院内集会 報告

   

院内集会写真
全国公的介護保障要求者組合(以下、組合)としては初めての院内集会となりました。
 そもそも院内集会とはなんでしょうか。参議院議員会館の中の一室で開く集会です。どうやると開ける、場所が借りられるのか、私はくわしいことはよくわかりません。今回は山本太郎参議院議員の手助けがあり開けたと言う事です。山本議員と組合は深い関係があるわけではないのですが、協力をお願いしたら実現したという、組合らしい成り行きです。
 集会なのですが、「しょうがいしゃの自立生活が危ない!わたしたちぬきに、わたしたちのことをきめないで」という呼びかけに、大阪、福島、富山、東京など全国から仲間が結集し、90人が参加しました。山本太郎議員の他に何人かの議員や議員秘書などが顔を見せました。山本議員は事前に厚生労働省の役人から、しょうがいしゃ問題の解説を受けたとのことですが、よくわからなかったと正直に発言されていました。こういった関係からか、集会には障害福祉課課長補佐や保護課課長補佐など、組合との要求交渉にはこれまで出てこなかった「上のクラス」の役人も1時間半ほどですが出席し、質疑応答や組合からの要望を伝えるなどが行われました。
 この院内集会における組合のテーマは①地域格差の問題、②現場での人権問題、③パーソナルアシスタンス制度の実現、④入院時のヘルパー利用、⑤介護保険制度のしょうがいしゃへの非適用でした。

①地域格差

角野さん写真 組合には各地からいろんな問題が昔から絶え間なく届きます。国や都道府県が出した指示を必要以上に厳しく守らせようとしたり、その自治体に都合の良いように実施したり、財政上の問題で制度の趣旨さえ疑われるような支給基準を決めてみたり。モグラたたきのゲームのようにそれらの問題が出てきます。
 今回の院内集会でも、それらの問題を当事者からいくつか報告しました。それらの問題が起こるのは決して厚生労働省の望むところではないはずですので、よい解決方法を工夫してくださいというしか頼みようがありません。それが厚労省の役人の仕事なんだし。何時何分のどこ行きのバスに乗ったかまでヘルパーに書かせなくてはならないと事業者に思わせている、また重度訪問介護の支給基準が国の制度改正があるたびに切り下げられる、などが行われている福岡市の問題などが報告されていました。

②人権問題

各地から多くの障害者が集まった写真
 生活保護における個人の資産調査を厳しくしろという国の指示が平成27年4月に出ました。それで大阪は一斉に自宅で訪問調査をされたり、沖縄では福祉事務所に呼び出されほかの市民が見ているところで財布の中身を広げさせられたという報告がありました。また上に書いたバスの記録や、時々聞く外出時の行先を記録されてしまう問題など、プライバシーへの配慮がありません。この手の問題もモグラたたきのように出てきます。その職員や福祉事務所の雰囲気などの問題です。いろいろな人がいますから、時々起るのは仕方のないことなのかもしれませんが、そうやって人を傷つけておいて、役所がやる事には悪意がないのだからなぜそんなに疑うんだとかいう態度で来られると、そりゃあもう腹が立つ。役人の「ちょっと」の間違いや考え違いでどれほど実際の生活に被害をこうむる事か。考え違いがはっきりしても「ごめんごめん、でもまあ生活してこれたんだからいいじゃん」ぐらいでたいていは終わりですから。ああきりがない。人権の問題。切なくて、苦しくて、狂おしい。参加議員から、「資産調査についてこれだけ多くの問題が起こっているのだから、適切なやり方をするよう通知を出すべきではないか」と質問があり、保護課課長補佐から「いろいろ課題を整理して何らかの検討をする」と回答がありました。

③パーソナルアシスタンス制度の実現

障害者運動と歴史について勉強会を行った写真 いろんなところでパーソナルアシスタンスなる言葉が使われています。ヨーロッパあたりからこれは輸入した言葉です。日本においては組合誕生の母体ともなった全都在宅障害者の保障を考える会が東京都に作らせた「重度脳性まひ者等全身性介護人派遣事業」が基本的なイメージとして浮かぶ方も多いと思います。単純に言えば、しょうがいしゃが自由にヘルパーを選べて解雇できる、そういうことも含めて介護費用はしょうがいしゃ自身に行政から支払われ、しょうがいしゃからヘルパーに支払われるといった内容で言われることが多いと思います。東京都の「派遣事業制度」は重度訪問介護の制度ができた時点で終了しました。しょうがいしゃが基準該当事業所などの運営者になれば、実質パーソナルアシスタンス制度のようなものが作れるのではないかという思いも重度訪問介護が始まったころにあったと思います。でも基準該当事業所は雨後の竹の子のように全国で広まっていってはいきませんでした。では当事者が作る指定事業者は、ほとんどのしょうがいしゃにとって「使いやすい」ものとなったのでしょうか。「よりまし」なものではなく「もっともっとまし」なものがどうしたらできるのか、最近の組合の「パーソナルアシスタンス」を実現させたいと動く力のもとはその辺の思いにあります。
 とにかく基準該当事業所でも当事者の指定事業所でも、その辺の町のヘルパー派遣事業所でも、重度訪問介護のヘルパーは見つからないので、ローテーションが苦しくて生活に支障がでているか、ヘルパーが一人でもこけるとどうしていいかわからなくなりそうな状態だという声が響いてきます。組合としては流行だから「パーソナルアシスタンス」という言葉を使うことに決めましたが、組合で話し合われている具体的内容については「ヘルパーはしょうがいしゃその人個人が選ぶ。関係性が非常に重要でヘルパーは資格は必要ない。」というものです。ダイレクトペイメントが絶対必要かどうかは保留です。ヘルパーの労働者としての権利をだれが責任を持つかなどめんどくさい問題があり、使いやすくなるのかむずかしい所です。逆にヘルパーがこけた時の公的な最低限の派遣保障の仕組みをくっつけて実現できないものかなど、悩みどころです。
 実はヘルパーの資格もいらずに、しょうがいしゃが選んだヘルパーにお金が支払われる制度は、札幌市や埼玉、国立市などですでに存在しています。そこでは重度訪問介護とそれらの制度の使い分けの具体例がすでに実例としてあります。組合は全都在宅障害者の保障を考える会という形で、すでに都障害者施策推進部自立生活支援課と昨年暮れに会い「パーソナルアシスタンス制度」について学習会、話し合いを続けていくという約束をしました。とにもかくにも話を始めようじゃないかという、実に組合らしいやり方ですし、関係性です。今回の院内集会で厚労省の障害福祉課課長補佐にパーソナルアシスタンス制度の話を言っていったのも同じことです。
施設から地域へ仲間を出したいと訴えた石田さんの写真 障害福祉課課長補佐は「札幌の例は知っている。また(民主党政権時代にそういう方針が出ているので)パーソナルアシスタンス制度については検討していく」と答えました。また「財務省の意向があるので無資格のヘルパーというのは考えられない」とも言っていました。ですがよく考えれば本当はたくさん勉強しなければならない重度訪問従業者資格がたった20時間の養成研修で取れるわけです(このたった20時間ですらネックにもなっているわけですが)。厚労省の役人の優秀な頭をもってすれば、重度訪問従業者養成研修の負担をもっともっと軽くしたり、ヘルパーが取りたいと思わせるやり方を見つけられると期待しています。

④入院時のヘルパー利用

入院時の介護の必要性を訴える加藤さんの写真 入院時のヘルパー利用について事実の確認をしました。平成30年からは重度訪問介護の利用者で区分6の人であれば入院時も同じ支給量のヘルパーの派遣が受けられることになると言う事が確認されました。
 それに先駆けてコミュニケーション支援事業は今までどおり入院中もヘルパーの派遣が受けられることを通知すると言う事です。ですが病院ではヘルパーはしょうがいしゃの体にさわってはならないという条件が付くと障害福祉課課長補佐は言いました。これに対し組合から「看護師により日常的介助を適切に行うのは極めて難しいケースがほとんどである。私たちはやるので、厚労省としてはそこをグレーゾーンとして黙認してほしい」という発言がありました。障害福祉課課長補佐から「医療との関係で、そこを言うのは無理である。制度上は出来ませんとしか言えないという、言葉の裏を察してほしい」という回答がありました。実質グレーゾーンでOKだと考えてよいと思います。病院側なんて猫の手も借りたいのだから、ヘルパーが目の前で手をぶらぶらさせていたら「触るな」なんて絶対言うはずがない。

⑤介護保険制度のしょうがいしゃへの非適用

富山から来て、当事者の声を代弁する林さんの写真 組合は65歳になったらしょうがいしゃも組み込まれるというので高齢者の介護保険制度にも反対してきましたし、時々マスコミにリークされるしょうがいしゃの介護保障制度と介護保険制度の統合についても当然反対してきました。「生活しやすくなりましたか」とこれまで介護保険制度を受けることになったしょうがいしゃに聞いてみればいい。それが組合が介護保険制度に反対してきた理由です。65歳になっても理由があれば絶対に介護保険制度を利用しなくてはならないわけではないことは、これまでの厚労省との要望交渉の中で確認済みです。しかし65歳が近づいて不安になった方からの声が常にたくさん届きます。ここでも地域格差で市町村による対応のばらつきも当然出てきますし、障害福祉課課長補佐に再確認のために聞きました。「しょうがいしゃにとって介護保険制度が使いづらいということには様々な理由があり得るし、介護保険制度の利用においては、十分それを考慮すべきというのが厚労省の考えである。ただ国の考え方として自助、共助、公助の順番があります。介護保険制度は共助、しょうがいしゃのヘルパーサービスなどは公助で、基本的には介護保険制度を利用してもらうことになります」と言う事でした。「その人らいしい生き方への手助け」や「見守り」の概念がなく1日1、2時間と細切れな介護保険の介護、また押しつけのリハビリや社会参加であるデイサービスかなど、いかに自分の生活破壊であり苦痛であることかを自分の市区町村で訴えていく必要があります。

 こうして初の参議院院内集会は終わりました。参加者の皆様お疲れ様でした。また集会に先立って多くの方が議員回りなどして準備に取り組みました。パーソナルアシスタンス制度の要望内容をもっと煮詰める必要も感じられ、今後院内集会などをどう組合の活動に位置づけるかなど考えていくことになると思いますが、今回は三井絹子組合委員長の下、大成功だったと思います。

佐藤友信

参加していただいた国会議員、議員秘書の皆様

相原久美子議員秘書、有田芳生議員秘書、小川敏夫議員、川田龍平議員秘書、郡和子議員秘書、小西洋之議員秘書、重徳和彦議員、高橋千鶴子議員秘書、永岡桂子議員秘書、松田公太議員秘書、山本太郎議員

私たちの声を聞いていただいて、ありがとうございました。
国会で、私たちの声を生かしていただきますよう、これからもご協力お願いいたします。

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