全国公的介護保障要求者組合

どんなに重度のしょうがいしゃも地域で当たり前に・・・・そのために介護保障を!

「社会保障審議会 障害者部会」で報告書まとまる ~私たちの声は届かず~

   

2015年12月14日に、「障害者総合支援法の3年後の見直し」について話し合う「社会保障審議会 障害者部会」の大詰めの会議に、木村と藤木が傍聴に行ってきました。
そこでは、24人の委員が、それぞれの立場から、「報告書案」に対して発言をしていました。視覚、聴覚、身体、精神、難病など障害当事者は5名でしたが、学識経験者や医療・福祉関係者など、健常者の数が圧倒的に多く、当事者の声があまり届かなかったように感じました。

重度しょうがいしゃの訴え届かず
 「常時介護を要する者の支援」という論点では、入院中の介護を、重度訪問介護については認めていく方向が示されたことはよかったと思います。しかし「パーソナルアシスタンス」制度については、サービスの質やダイレクトペイメント、財政面など課題が多いとして、制度化の方向は示されず、議論の中でも取り上げられていませんでした。
 各地では重度の障害にもかかわらず、深夜の見守りが認められなかったり、家族がいると時間数を削られたりしています。介護保障を求める切実な訴えは、議論の場に届いていませんでした。

介護資格について
 介護人の資格については、「実地研修の実施」の必要性がもりこまれたものの、事業所や健常者による研修が想定されており、障害当事者が主体となって研修を実施するという内容は含まれませんでした。障害者権利条約や差別解消法の核心である当事者主体の観点が抜け落ちています。その上、「資格の引き上げ」によって、介護の質を向上させるという内容も盛り込まれ、深刻な人材不足についても、有効な手立ては示されませんでした。
移動支援について
 また移動支援についても、課題である通勤・通学の支援も結局保障されず、障害者の社会参加が促進されるような内容は、乏しかったです。
介護保険統合に今後も警戒必要
自立生活を送る重度障害者が、最も懸念している「介護保険優先原則」という文言もこれまでどおり維持されてしまいました。
この原則の下で、「サービスの内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない場合は、障害福祉サービスが認められる」というこれまでと変わらない内容で、障害福祉サービスを選択できるという内容ではありませんでした。ただし当事者委員からの指摘によって、65歳以上になって初めて障害を持った人にも同様に適切に運用することが明記されました。
介護保険と障害福祉の統合については、かつて民主党政権下で統合しないという経過がありましたが、学識経験者の一人から「財源問題を考えれば、介護保険も障害者総合支援法も、使う人の状態は似ているのだから、一体的運用、一体化も考えるべきだ。もっと踏み込んでかいてほしい」という発言も飛び出しました。報告書には、「統合」という文言は入っておらず、「介護保険制度と障害福祉制度の趣旨・目的は異なるという意見もある」と書かれていますが、またひっくり返されてしまうのではないかと、不安が募りました。

利用者負担導入への動き
また利用者負担についても、障害者自立支援法に対する違憲訴訟の和解によって負担軽減策がとられていたのに、すぐにまた利用者負担導入にむけての資料が出されて、これから3年後の新たな検討課題にのぼるなど、見直しによってむしろ逆行していると感じました。

私たち重度障害者の声が届かない中で、報告書がまとまり、国が法改正をしていくことに、とても危機感をもちました。

 - デジタル会報

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