全国公的介護保障要求者組合

どんなに重度のしょうがいしゃも地域で当たり前に・・・・そのために介護保障を!

杉並区支給決定交渉報告

   

 全国公的介護保障要求者組合会員のみなさま、はじめまして。川合千那未と申します。
 現在杉並区で自立生活を始めて3年になる脳性麻痺者です。
 要求者組合の自分たちの介護制度は自分たちでつくり守っていくという組合の考えに感銘を受け、今年から組合の会議等に参加させていただいています。

 私事ですが、4月末に、介護給付費受給資格更新についての交渉を行いましたので報告します。
 1度目の交渉は、3月30日に、ひとりで区の担当と話し合いました。
 区の担当の話の趣旨は、区からは介護者に頼らず一人で頑張れる時間(介護者のいない時間)を増やせないかというものでした。
 私は、常に介護者が傍にいなければ生活していけないので、月のうち10.5時間ほどを、やむを得ず、還暦を超えた母の介護を受けています。
 この10.5時間というのは、1年前まで、リハビリと医療(看護)を受けていた時間です。リハビリや看護を受けている時間も介護者の介護が必須なのですが、介護と医療の併用は認(みと)められませんでした。現在、リハビリ等を受ける時間は月に5時間ほどに減っていますが、その分の支給時間数の補てんはなく、今でさえ支給時間が足りていないのにこれ以上減らされたら困ると訴えましたが、合意に至りませんでした。
 役所の言い分は、「自立とは自分で生活していくことだ」、「生活をしていくには多少の我慢も必要」、「(介護者がいなくても良いよう)時間の工夫をしてほしい」、「もっと重度な人にも、これだけ(24時間近い)時間数が出ているわけではないので不公平さが出る」など、しょうがいしゃ個人の生活を見ることのない発言が相次ぎました。

 役所は、「頑張って」、介護者の支援を受ける時間を減らしていくことを自立と捉えているようですが、頑張ってもしょうがいが軽くなるわけがありません。介護者のいる時間が短くなればなるほど危険にさらされます。
 日本が障害者権利条約に批准して3年、障害者差別解消法が施行されてから1年以上が経ちますが、行政であっても合理的配慮と社会モデルの考え方が浸透していないことを感じました。その現状がとても悲しく、私はそれらの説明をしようと試みましたが、話をそらされ、うやむやにされてしまいました。
 最後には「少しでも(支給量を)減らさないと会議で決定がされない。決定がされなければ、あなたの使っている事業所も困るだろう」と言われました。支給決定されない期間の介護料がすべて自費となればそれこそ生きていけません。脅迫まがいの言葉でしたが、そこで同意したら、あとは流されるままになってしまうと思い、日を改めて、交渉の場を設けることにしました。
 このような経緯があり、どうしたらいいかと組合で相談し、2度目の交渉時に組合のメンバーに同席していただくことになりました。

 4月6日、2度目の交渉を行いました。私は、私の生活には24時間介護が必要なので、リハビリと看護が入っているという理由で、介護が認められなかった時間も、支給決定してほしいということを主張しました。杉並区としては、呼吸器ユーザーなどの生命維持そのものに介助が必要な方にしか24時間介助を認めていないということでしたが、しょうがいが重度なため、ひとりではなにもできないのに時間を減らすのはおかしいということと、見守りの概念を説明しました。
 そのような話の後、役所からの「私には24時間介護が必要だという希望があるということはわかった。」という回答をもって交渉を終えました。なお、「少しでも(支給時間を)減らさないと会議で決定がされない」という発言については「そういった発言はしていない」という答えでした。

 また、この日は支給決定のほかに、杉並区におけるセルフプランについても質問がでました。
 杉並区ではセルフプランを「原則として認めていない」(のちに、「相談支援専門員によるプラン作成をお願いしている」という言い方に訂正)が、数人はセルフプランを作成している方もいるので、検討していくということでした。現在は相談支援専門員によるプランですが、次回更新時には知識を蓄えてセルフプランに切り替えていこうと思っています。

 4月末、会議の結果、月に739時間の介護が支給決定されたと連絡がありました。
 これは24時間のうち、4月末時点で、実際に医療やリハビリが入っている時間を除いた計算となります。

結果として、介護と医療の併用は認められなかったけれど、介護が足りていなかった10.5時間のうち5時間分は勝ち取ることができました。今後も支給決定更新の折に交渉を重ねて行こうと思っています。

今回の交渉を通して、自身の勉強不足と、いざという時の発言の弱さを痛感しました。
組合の皆さんに相談できていなければ、役所の意見に押し切られてしまっていたかもしれません。強く生きていけるよう、組合からいろいろなことを学ぼうと思います。
力を貸してくださった皆様ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

 - デジタル会報

杉並区支給決定交渉報告

どんなに重度のしょうがいしゃも地域で当たり前に・・・・そのために介護保障を!

Copyright© 全国公的介護保障要求者組合 , 2017 All Rights Reserved.